コロナ期間中の海外渡航と入国制限をまとめて振り返ってみる
オミクロン株の話を聞いてふと思い立ちました。
自分は少し前までイタリアに長期滞在していたこともあり、このコロナ期間中に6回(片道) 日本とヨーロッパを往復しました。
「えっ!今って飛行機とか乗れないんじゃないの」って思う方も居るレベルだと思うんですが、お察しの通り色々とめんどくさい事前準備を経てやっと搭乗・入国させてもらう感じのルールがここ2年ぐらい続いています。
まずはどんな感じのことをやってたのかというのを紹介するのと、この2年の間にそのめんどくさいルールが、コロナウイルスと人類の戦いの最中にどう変化してきたか振り返ると面白そうだったのでまとめてみました。
これから海外渡航する方はちょっとだけ参考にしてください。
正しい情報はここにある
今からガチで海外渡航する人は、ぼくの駄文よりこちらを参考にした方がいいでしょう。
日本への入国
外務省の水際対策ホームページ。ニュース等で発表された最新情報はすべてこちらに反映されている。
海外への入国
渡航先の大使館(領事館)のHPを見る。現地語が分かる人は渡航先の省庁(↑の水際対策ページのような)のホームページを見るのが理想ではある。
補足:出国に関しては特別なにか規程があることは少ない。出発時の空港カウンターで、渡航先の入国規制をクリアしているか簡単にチェックされるだけ。
だいたいどんな人がいま渡航できるの
ヤバいとき(日本でいう緊急事態宣言):
・長期滞在者、外交官、軍人、競技会の参加者、特段の事情がある人 のみ
そんなでもないとき:
・必要な書類の提出や検査を受けていれば誰でも
普通のビジネス出張はパンデミック中はだいたい無理です。一方で親族に会いに行くとかの理由がある人は結構いつでも入国できます。
自分の渡航歴と入国制限を振り返ってみる
ここからは、入国制限のために実際にやったことを列挙しながら、それぞれの渡航を時系列順に振り返ってみようと思います。
書いてるうちに歴史の生き証人になったような感じがしてきました。気分良いですねこれ。孫の代まで語り継ぎたい。
2020年3月 イタリア→日本
イタリアは欧州でパンデミックがスタートした記念すべき1カ国目であり、帰国ラッシュの先陣を切った思い出のフライト。ちなみに帰国は会社命令(ここ重要)。
今振り返ると出国前(イタリア)にPCR検査を受ける義務がなく、感染していても飛行機に乗れたかなり緩い時代。まだ一般人は抗原検査すら受ける手段がなかったので仕方ないが…
日本での自主隔離中の義務が保健所からの電話に出ることだけであり、形骸化していた。そこらへんが世間から厳しく批判され、今の監視アプリインストール体制が確立した(と思う)。
なつかしいねえ。
・[イタリア] 自己宣誓書の記入 (※)
・[日本・空港] 宣誓書の記入
・[日本・空港] PCR(?)検査 (8時間待ち)
~会社の人の車でウィークリーマンションに移動~
・[日本] 14日間自主隔離
・[日本] 保健所から毎日確認の電話がかかってくる
※ イタリアでは外出の度にこの自己宣誓書を書かないといけないという決まりが定められたため、これは自宅から空港までの移動理由を証明するもの。
2020年8月 日本→イタリア
最初のパンデミックが落ち着いて、やっぱりコロナは冬の病気なんだね~みたいにホッとしていた時代。このまま収束すると誰もが信じていた時代。渡航前に書類書いたり検査した記録も手元で見つからないので、マジで通常と何ら変わりなく飛行機に乗れていた時期かもしれない。
これもなつかしい。
・[日本] 特になし?
・[イタリア] 14日間自主隔離 (※)
※ 確認電話とかもなかったので、隔離とは言ってもマジで気持ちの問題
2021年4月 イタリア→日本
しばらく間が空いた。たぶんこれのちょっと前にデルタ株とかが流行っている。監視アプリのインストール義務は結構前から。
いつの間にか隔離期間が空港近隣ホテルでの強制隔離+14日間の自主隔離の2段構えになっていた。強制隔離があるかないかは直近14日間の滞在国で判定された。
ホテルでの強制隔離のインパクトが強く、Twitterに色々画像が上がっていたり身内で情報を共有したりしていた時代。
(正確にはこれまでもインドなどの危険国からの渡航者は強制隔離されていた。それが米国などメジャー国に広がった形。)
・[イタリア] 自己宣誓書の記入
・[イタリア] PCR検査
・[日本・空港] 自己宣誓書の記入 (※)
・[日本・空港] アプリのインストール (※)
・[日本・空港] 上記の審査およびPCR検査
~ハイヤーで自宅まで移動~
・[日本] 14日間自主隔離(自宅)
・[日本] 毎日アプリから健康状態報告、ビデオ通話に出ることを求められる
(※)実際はイタリアに居るうちに事前準備しており、空港ではただ見せるだけにした
2021年5月 日本→イタリア
イタリアへの入国は今まで割とユルユルだったのだが、この時期はさすがに色々と提出を課せられた(会社の人に手伝ってもらったので詳細は把握しておらず)。
・[日本] PCR検査
・[イタリア] AUTODICHIARAZIONE GIUSTIFICATIVA PER L’INGRESSO IN ITALIA DALL’ESTERO の提出
・[イタリア] 自治体への情報提出(必要事項をメール送信) ※
・[イタリア] 10日間の自主隔離
※下記アドレスにメール送信するよう促されたのでそうした。トリノ限定かもしれない。
rientroinitalia@aslcittaditorino.it
2021年8月 イタリア→日本
強制隔離が単純なあるなしではなく、3日間~6日間ぐらいまで国ごとに細かく決められていた。しかもコロコロ変わっていた。幸いイタリアはこのとき強制隔離なしだったのだが、米国は州によっては隔離ありとなしが1週間で入れ替わったりしていて阿鼻叫喚だったらしい。
・[イタリア] PCR検査
・[日本・空港] 自己宣誓書の記入
・[日本・空港] アプリのインストール
・[日本・空港] 上記の審査およびPCR検査
~ハイヤーで自宅まで移動~
・[日本] 14日間の自主隔離(自宅)
・[日本] 毎日アプリから健康状態報告、ビデオ通話に出ることを求められる
2021年11月 日本→スペイン
直近のフライトです。
ワクチン接種済みという新たな判定要素が生まれていた。
ワクチンがないとPCR検査をしても入国できないが、接種していればPCR検査も要らず、隔離もなく入国できる、というルールを定めている欧米諸国が多い。
隔離義務がないのが重要で、これによりワクチン接種さえしていれば旅行も短期出張もできるようになった。
・[日本] PCR検査
・[日本] スペインの入国管理用アプリ(SpTH)のインストール、事前入力
2022年1月 スペイン→日本 (帰国予定)
オミクロン株によってレギュレーションがどう変わるのか、楽しみですね(???)
よくある疑問(主に日本入国)
最後に個人的に疑問を持っていたことをいくつか。
・自主隔離中は本当に一歩も外に出れないのか
食料品・医薬品の買い出しのために外に出ることはできる。そもそも罰則がないのでみんなある程度自己判断している。
・PCR検査ってどこで受けるのか
①空港で受ける
新型コロナPCR検査 | サービス一覧 | サービス案内 | 羽田空港旅客ターミナル
②一般の病院で受ける
個人的には渡航前日に自宅の付近のクリニックで朝早くに検査、午後に再度結果を受け取りに行って済ませる事が多いです。
・到着空港から自宅まで公共交通機関で帰っちゃダメってホント?
はい。外務省の認識ではタクシーも公共交通機関扱いなので、迎えに来てくれるお友達がいない方は大人しくハイヤーでVIP気分を味わいましょう(片道3万円)。
・空港から自宅まで帰れる人と自分で滞在場所確保して自主隔離する人の違いは
自主隔離(ホテルでの強制隔離ではない)の場所は自分で決めていいのだが、空港から公共交通機関を使用できないという制限があるため、長距離の移動はできない。例えば羽田から飛行機や新幹線を乗り継いで東北地方の実家に向かうということができない。
自分の周りだと、羽田・成田着なら関東地方に家がない人は自前でウィークリーマンションを取っているケースが多数。
・よくわからんがとりあえず適当にごまかして日本の空港までたどり着けばなんとかなるでしょ
という考えの人がちらほら居たからなのか、去年あたりから条件を満たさない人は出発地まで強制送還されることになった。(程度によるとは思います)
まとめ
イタリアの入国制限と見比べてみるとわかりますが、日本の入国制限は世界の中でもトップクラスに厳しいです。途中外国人の入国が完全に拒否されていた時期がありましたが、これがイタリアに発生していたらぼくの場合アパートを放棄して1年程度日本で仮住まいを続けないといけませんでした。危ねぇ~
また、PCR検査とワクチンの普及が入国制限に大きく影響を与えたことが分かります。
アジア各国の規制はあまり詳しくないのですが、インド駐在の方とかが居たらぜひ話を聞いてみたいですね。
アスタ・ルエゴ!